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【税金計算】仮想通貨の申告は大変?

2022.08.12

仮想通貨の税金の申告って、どうしたらいいの??

このような思いを抱いてらっしゃる方は多いと思います。

税理士に聞いて、丸投げすればいいだろう……そう思って電話を掛けたら、基本料金だけで30万円!?オプション込みで、50万円!!?高すぎぃぃ……

このような、経験をされた方は多いと思います。

また、そもそも受け付けてくれない事務所も多いと思います。

税理士は誰しもが仮想通貨に詳しくないのと、実際に仮想通貨の売買、ステーキング、DeFi、エアドロップ、などなどに実際に手を出している税理士は少ないです。

相続、国際税務、M&A、などと同じように「仮想通貨」も税理士業界の中では、専門性の必要な分野になってます。

税理士が仮想通貨の申告をする際に、障壁となる点は、次のような点かと思います。

 

①仮想通貨の取引の種類(ステーキング、DeFi、エアドロップ、ハードフォーク、マイニング……etc)の意味がそもそも分からない

②収入に対する原価を、総平均法で算出するための取引データの加工ができない

③収入における売買単価の正確なデータをどう拾えばいいか、分からない

 

順番に見ていきましょう。

<①について>

仮想通貨は、原則、売買による値上がり益を期待して取引を行うもので、これは株と同じような性質だと分かります。

仮想通貨も株と同じようにたくさんの銘柄がありますし、銘柄の種類によって、得意なことや、不得意なことも変わってきます。

日本の取引所だけを使うと、主に売買だけとなってしまいますが、海外の取引所(CEX)や、分散型取引所(DEX)、ウォレットを使っていると

様々な取引ができます。

・ステーキング

→王道中の王道。ステーキングは特定の仮想通貨を保持することで仮想通貨のネットワークの生成に参加し、そのリターンを得ることができる仕組みのことを言います。詳しく知りたい方はInvest Naviさんの★コチラの記事をどうぞ。

 ステーキングはどの通貨も年利10%ほどで報酬を得ることができます。銀行に預金することと比較すると、とんでもないリターンですね。。

 一般に、ステーキングで受け取る仮想通貨は課税対象となり、受取時の時価✖数量で税計算を行います。

 下記、国税庁の暗号資産に関するQ&AのP10(6番)をご確認いただくと詳細が記載されております。

 ★詳しくはコチラ

 ステーキングは、毎分毎秒と利息計算されているため、税計算が面倒、という声は多く見かけます。

 

・エアドロップ/ハードフォーク

→基本的には、ネットワーク参加報酬として、その仮想通貨の銘柄ごとのブロックチェーンで新たに生まれた新規プロジェクトのトークンの配布を受けることをいいます。

 エアドロップの利点は、受取時に価格が付いていないことです。つまり、受取時は所得に加算しません。

 その後、市場として値が付いた後に売却をすれば当然、課税されるものの、売却するまでは何も課税されません。

 仮想通貨を売買するのに疲れた方は、このエアドロップをうまく利用して、エアドロップ億万長者になれる可能性も秘めています。

 有名どころでは、ATOM(Cosmos)とその子銘柄のステーキングですね。

 似たような概念でハードフォークによる分岐、というものがあります。有名どころでいえば、XEM(ネム)のハードフォークで新たにXYM(シンボル)が付与された件ですね。

 こちらも、ハードフォークによる新規トークン受取時において、市場価値が付いていれば、貰った数量分だけ所得計算に含める必要があります。

 詳しくは、上記国税庁の暗号資産に関するQ&AのP9(5番)をご確認ください。

 

・DeFi

→Defi(分散型金融)とは、「Decentralized Finance」を略称しており、金融サービス・エコシステムなどのアプリケーションのことを指しています。

 詳しくは、Invest Naviさんの★コチラの記事をご確認ください。

 私たちは、日本であれ、海外であれ、取引所で仮想通貨を購入したり、売却したりします。この取引所は誰かが管理して行っているため、中央集権的と言えます。これをCEX(Cecentralized Exchange)といいます。

 銀行も同じ理屈で、中央集権的ですよね。

 一方で、DEX(Decentralized Exchange)はその逆で管理者不在の取引所のことです。

 その取引所内には、個人個人のニーズに備えて、通貨のペアを用意しなければなりません。

 例えば、ETH⇔USDTとか、SOL⇔RAYとか、交換したいペアがなければ、そのニーズに応えられず、DEXを運用できません。

 その通貨ペアを用意するのが、私たち個人となります。

 私たちが、ETH/USDT、SOL/RAYなどの通貨ペアをDEX内のプールに預けることで、十分な供給を提供でき、ある通貨から別の通貨に交換したい人の欲求が満たされて、DEXが運用できるのです。

 そのプールに通貨ペアを預けることで、とてつもない年利、例えば100%超え……魔界と呼ばれる場所は1.000%超え(笑)という収入を得ることができます。

 これがDeFiの魅力です。

 税金計算で重要なのは、これも利息計算となります。

 そして、もう一つあって、それがインパーマネントロス計算です。

 実は、このプールに預けていると、最初は通貨ペアの割合が、1:1なのですが

 徐々に時間が経つにつれて、通貨ペアの内の人気通貨……例えば、SOL/RAYですと、レイヤー1のSOLのほうが価値が高いですから、CEXとの価格差を利用して取引する人(アービトラージャー)によって、そのプールからSOLがなくなっていきます。

 すると、どうでしょう。

 SOL:RAYを1:1で預けたあなたは、1年後引き出したときにはSOL:RAY=2:5で引き出すことになってしまいました。

 年利100%で、RAYを稼いだものの、1年後蓋を開けてみれば、RAYの価格はそんなに上がっておらず、反対にSOLは5倍以上になっていた場合、DeFiなどせずに、SOL単独をステーキングしておけば良かったぁぁぁぁ……と後悔するわけです。

 これが(簡単に言うと?)インパーマネントロス、と呼ばれるものですね。

 

 ここまで見ていただいて分かる通り、仮想通貨を実際に触ってないと、とてもじゃないですが計算できません。

 税理士だから、税金計算できるわけではなく、仮想通貨に詳しくないと、対応できない理由がよく分かるかと思います。

 

<②について>

個人の仮想通貨の収入に対する原価は、総平均法が原則です。

これは、1年を通じて、買った仮想通貨の銘柄ごとに、取得時の評価額/数量 = 1年を通じて算出した平均単価 を求めて、それに売却数量を掛けることで、売却原価が求められる方法を言います。

税務署に届出をしない限り、個人はみんな総平均法となります。

 

これを算出するためには、過去、すべての取引データ(CSV)を税理士に渡して、計算してもらう必要があります。

とりわけ、過去から多額の仮想通貨を繰り越してきた人でしたら、猶更、全データを税理士に渡す必要があります。

そうしなければ、上記の適正な単価を求めることができないからです。

税理士としては、全データをCSVで貰うわけですから、EXCELスキルが求められます。

ですが、税理士もEXCELが得意な方、って非常に少ないので、工数が格段に上がってしまいます。

これが、税理士報酬が高額となる理由の一つです。

続いて、<③>にもつながりますが

売却収入の単価を求めるのが一苦労という点にあります。

有名どころでいうと、CoinmarketCapでは、各通貨のその日の始値、終値、最高値、最低値までのデータをGETできますが、「何時何分何秒」のデータまでは取ってこれません。

何時何分……ぐらいまではデータとして取ってこなければ、その日のうちに物凄い価格も変動しますから、「(高値+底値)÷2」を一定の基準として計算しても、計算結果(所得計算)に差が必ず出ます。

 

そこで重要なのが、税理士に頼む前にご自身でWEBアプリに頼ってみることです。

今では、Cryptact、CryptLINK、Gtax、……などなど仮想通貨計算アプリがいっぱいありますので

無料で使ってみて、肌に合うものを選び、ある程度、自分で計算しましょう。

 

今回は以上となります。

仮想通貨の税計算は煩雑で、特殊な専門性が要ります。

脇坂IT税理士事務所では、仮想通貨の税計算も受託しておりますので、お気軽にお問合せください。

また、このブログのシリーズとして、各仮想通貨の特徴などをまとめた記事も順次アップしたいと思ってます。

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